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扶養親族と聞かれてあなたは誰を想像しますか?

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一昔前は旦那様の扶養に奥さんや子供達、年老いた母親などが扶養親族として入る時代でした。キャリアウーマンという言葉がささやかれ、時代は変わり女性が重役ポストに就き、旦那様の扶養に入る女性は年々少なくなってきました。女性が強くなり、寿退社なんて、もう死語です。子供が出来たり、母親の面倒を見ることになったりなど扶養する家族が増えた場合まず何をすればよいのでしょうか?
一概に扶養親族言っても、サラリーマンの立場で考えると大きく分けて3つのパターンあります。

  • お給料などの手当てに関する扶養親族
  • 年末調整や確定申告に必要な所得税や住民税の税金に関する扶養親族
  • 社会保険や国民健康保険など健康保険に関する扶養親族

いづれにしても、全て自己申告が必要です。会社はいちいち親切に『扶養が増えたらしいね?』なんて教えてくれません。メリットがたくさんあるので覚えておきましょう。

お給料などの手当に関する扶養親族

履歴書には配偶者がいるか?扶養親族が何名いるか?の記載があります。会社によっては、扶養手当や住宅手当などの給与の支給額を決定するために必要な項目であり、自己申告がなければ手当の支給を受ける事ができません。会社は知らなければ払う必要はないのですから・・・事務的な確認に必要な項目のため、履歴書には正確な情報を記載しましょう。
会社によっては扶養要件(年収)などの決まりがあるので、家族の源泉徴収票などの提出を求められる場合があります。会社の扶養要件とは、「年金やアルバイトなどで収入がどのくらいあるか?」「同居しているのか?」などそれぞれ会社で基準が違います。
何度も言いますが、会社はそこまで親切ではありません。申し出がなければ「知らなかった。」「言わないあなたが悪いんでしょう。」と言われかねません。もらえるものはガッチリ貰うためにも、人事へ相談してみましょう。

年末調整や確定申告に必要な所得税や住民税の税金に関する扶養親族

毎月給与や賞与から差し引かれる所得税ですが、これにも扶養親族が関係しています。入社時や年の初めに提出することになっている扶養控除申告書に基づき所得税の扶養範囲を算定し毎月の給与から所得税を集め、1月~12月給与賞与の総収入が決定した段階で年末調整を行い1年間の所得税額が決定します。
その他の副収入がなければ、そのまま市町村に源泉徴収票が給与支払報告書として提出され市町民税の算定がされます。
その他の副収入(年間20万円を超える副収入)がある場合や、2か所以上から給与を支給されている方は、税務署で確定申告をしなければなりません。
配偶者であれば103万円以下の収入であれば配偶者控除を受ける事ができます。103万円以上150万円までは段階的に配偶者特別控除を受ける事ができます。無収入の子供に関しては問答無用で扶養に入ることができますが、最近はユーチューバー小学生などもいたり、大学生で投資家なんかもいたり、子どもたちの収入についても上限額は103万円でそれ以上の収入があれば扶養親族とすることができないため注意が必要です。
16歳未満の子供たちは現在児童手当金が支払われているため、所得税算定でのメリットはありませんが、住民税算定の際、必要となるため申し出が必要です。
障がい者年金を受給している親族がいる場合は、問答無用で所得税の計算での扶養にすることができます。障がい者年金は非課税のため収入として算定されません。
ひとり親控除とは、シングルファザー・マザーが、単身で子供を養育する場合適用となり、以前までの寡婦控除とは異なり、未婚の母も適用を受ける事ができるようになりました。寡婦控除は、読んで字のごとく、婦人のみの控除であり、離婚や死別で独り身になった女性が、両親や兄弟などの親族を扶養をする場合適用されます。
男性からは男尊女卑だと怒られそうですが・・・



社会保険や国民健康保険など健康保険に関する扶養親族

家族を社会保険=健康保険証の扶養に入れることができれば、社会保険料の負担が少なくなるためお得です。
しかし、家族であれば無条件で誰でも社会保険の扶養へ入れることができるわけではありません。社会保険の扶養に入れるためにはいくつかの条件があります。家族が加入している保険によっても多少条件が変わってくるかと思いますので今回は代表的な扶養の範囲を調べてみました。
年間収入が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、なおかつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は扶養親族として社会保険の加入ができます。
年間130万円未満のパートアルバイトの方たちは誰かの扶養に入ったほうが、社会保険料が給与から引かれずに働くことができます。
社会保険料は、給与を所得している方の月々の給与の額によって決められるため、社会保険の保険料は何人扶養にしても、金額は変わらないのです。会社勤めの旦那さんの保険料が高くなる・・・なんてことはありません。
両親等を健康保険の扶養に入れるためには、親の年齢が75歳未満である必要があります。75歳になるとすべての人が、後期高齢者医療制度へ移行するため、すでに75歳になっている方は、現在、後期高齢者医療制度に加入しているため、扶養に入ることはできません。 現在、すでに親を扶養にいれている場合は、その親が75歳になったらその扶養を抜けて後期高齢者医療制度へ加入することになります。
基本的には、年間収入は基本130万円未満で、60歳以上の方や、障害がある場合は、年間収入が180万円までで少しだけ緩和されていると覚えておけば、お得です。