過酷な労働にケガや事故はつきもの、いくら安全対策をしたとしても、起きてしまいます。起きてしまったら、素早く対処するのも総務課さんのお仕事です。労災事故が起きたら何をすべきか、私も忘れないために、書きとめていきたいと思います。
労働災害が発生したとき |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
事故発生!初動捜査開始です。
事故が発生した場合、いち早く現場の状況を把握しましょう。と言っても・・・私ごとき・・・そこまで大きな労災事故、ましてや死亡事故には、遭遇していないのですが・・・遭遇したいとも思いませんが。事故は小さく、少ない方が良いに、こしたことはありません。
- いつ(何時何分まで)
- どこで(現場の位置を把握)
- 誰が(負傷者、関係者、すべての把握)
- どんな状況で(何をしている最中の事故なのか)
- どこが(右人差し指など負傷箇所を細かく)
- どうなって(痛いのか、折れていそうなのかなど)
- どうした(負傷したからには、誰かに報告しているはずです。誰に報告したかまで聞き出します)
- 通院か入院か(受傷の程度を把握)
このくらい聞き出しておけば、事故やケガの状況が把握でき、労災手続きの申請をする際の、てがかりになります。受傷者が話せない状況であるならば、その場にいた人に状況を説明してもらいましょう。基本的に、危険作業は1名で行ってはいけないはず・・・ですので・・・1名で、行っていて事情聴取ができない状況になった・・・なんてことにならないよう注意してください。
通勤途中の事故も労災となります。歩いて転んで、骨を折ったなんていうのも労災に認定されます。ただし、まっすぐ、いつもの道を通って、通勤、帰宅した場合のみです。途中で買い物に寄り道したり、飲みに出かけたりした瞬間から、労災の適用外となりますので注意してください。
病院に行く場合は、できることなら、労災指定病院に行って欲しいことを伝えましょう。そして、受診時に労働によりケガをしたため、労災保険を使います!と病院に伝えてくださいと、お願いしましょう。病院の費用が労災保険から支払われるため、費用を払わなくてすみます。労災保険指定病院以外で受診した場合は、費用をいったん全額支払わなけならない場合などもあったり・・・なるべく労災指定病院を受診することをお勧めします。
労災申請書の提出をする
仕事中のケガにより、病院に通院や入院した場合なら、「療養補償給付及び複数事業労働者給付たる療養の給付請求書様式第5号」を記入し病院に持参しましょう。書き方は、初動捜査により聞き出した全項目が必要かと思いますので、調査結果を分かりやすく記入するだけです。
療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の給付請求書 業務災害用・複数業務要因災害用(様式第5号)
通勤でのケガについては、様式が異なりますので注意が必要です。
療養給付たる療養の給付請求書 通勤災害用(様式第16号の3)
これらの書類を受診病院に持参するだけで、総務課さんのお仕事は終了します。この書類を提出したことにより、請求は労災保険から支払われるようになるため、個人的に通院入院費用は一切かかりません。労災指定病院以外を選択してしまった場合は、一旦全額支払わなければならない場合など、あるかもしれませんので、なるべく労災指定病院を選択しましょう。
最近では院外処方の場合が多く、お薬が処方された時は、病院に提出用、薬局提出用と同じ書類を両方に提出しなければならないため、注意が必要です。
最初に受診した病院が、家から遠いためなど、違う病院に通院することになった場合は、次の病院へ変更届けを提出しなければなりません。
療養給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届(様式第16号の4)
上記書類だけを、新たに受診する病院に提出します。
ケガの程度が軽ければ、上記の書類の提出だけで完了します。
仕事を休まなければならないケガになってしまった場合
自宅療養をしなければならない診断になったり、入院をしなければならなくなったり、長期の休みを取らなければならなくなった場合は、労災保険より休業給付をうけることができます。
ケガなどにより4日以上のお休みとなってしまった場合は労災死傷病報告を労働基準監督署に提出しましょう。これを提出したことにより、是正勧告書なる物騒なものが送られてくることもあるかもしれませんが・・・労災事故を減らすためにも、是正勧告は必要です。労災隠しなどしないように、起きた事故を再び、起こさないためにも、きちんと提出し、労災事故の原因を追究し改善に努めましょう。
000708455.pdf (mhlw.go.jp)労災死傷病報告
休業4日目以降は労災保険にて給与のおよそ80%が支給されます。最初の3日間は待期期間となっており、会社が3日分の給与の60%を支払わなければなりません。
- 1日目から3日目まで=会社が給与の60%を負担する
- 4日目以降=労災保険より給付80% 医師の診断がある限り
1日目から3日目までは60%の保証しかされません。会社の判断にもよりますが、基本的に60%です。有給休暇があまっている状態ならば、有給休暇を使うことも選択肢の1つです。有給休暇ならば100%の給与が保証されます。あくまで、本人の選択ですので、強要はできませんが・・・選択肢の1つとして
休業補償給付支給請求書 複数事業労働者休業給付支給請求書 業務災害用・複数業務要因災害用(様式第8号)
こちらの書類も、仕事上と通勤時と提出書類が異なりますので注意が必要です。
ゆっくりマッサージでも受けながら療養しましょう。
全国620店舗以上!もみほぐし・足つぼ・ハンドリフレ・クイックヘッドのリラクゼーション店【りらくる】
いつまで労災保険はもらえるのか
基本的には医師の診断により働けない状態が継続している限り給付を受けることができます。が・・・どんなケガでも、1年半ほど経過すれば、治療で元の状態に回復するのか、後遺障害として残ってしまうのかの判断ができるようになっているはずです。その段階で、医師の診断により、どの程度の障害が残ったかの判断をしてもらい、障害が残った請求をすることになります。
障害補償給付 複数事業労働者障害給付 支給請求書 障害特別支給金 障害特別年金 障害特別一時金 支給申請書 業務災害・複数業務要因災害用(様式第10号)
障害給付支給請求書 障害特別支給金 障害特別年金 障害特別一時金 支給申請書 通勤災害用(様式第16号の7)
障害が残ってしまうような労災事故や死亡事故になった場合は、いさぎよく全てを弁護士の先生にお願いしたほうが、会社も社員も良いような気がしますが。
労働災害をおこさない、事業所作りが大切だと、改めて考えさせられますね。